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秋場 秀人*; 西出 宏之*; 土田 英俊*; 大道 英樹; 岡本 次郎
J.Macromol.Sci.,Part A, 23(9), p.1125 - 1135, 1986/09
前照射法によりポリエチレン粉末にアクリル酸およびアクリルアミドのグラフトを行った。アクリル酸とアクリルアミドを共グラフトした場合はアクリル酸を単独グラフトした場合に比べてテルビウムイオンの吸着が早い。また前者の場合の錯形成定数は後者の場合より大きくなった。これはグラフト錯中にアクリルアミドの部分が導入させたことにより、カルボキシル基とテルビウムイオンとの間の錯形成における立体障害が減少したためと考えられる。前者の樹脂をカラムに充填し、テルビウムイオンとコバルトイオンなど繊維金属イオンを含む水溶液を流したところ、テルビウムイオンと遷移金属イオンが効率よく分離された。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 山中 英寿*; 中井 克幸*; 湯浅 久子*; 志田 圭三*
J.Macromol.Sci.,Part A, 21(5), p.561 - 582, 1984/00
ポリ(N-カルボキシ-アミノ酸無水物)を150kg/cmの圧力下、50,100,150,そして200Cの温度で処理した。処理担体の殆どが溶融と体積収縮を伴なった。この場合、処理担体の溶融温度は一般に、担体自体のもつ融点(m.p.)より顕著に低かった。得られた担体(加圧-加熱処理法)は high rigidity と transparency をもっていた。これらの担体の生体分解性はmale Wistor rat の背中皮下部に最高で100日間埋め込んで評価した。この研究に用いたホモおよびコポリマーは殆ど生体分解しなかった。しかし、脱ベンジル化した terpolymen(例えば、-benzyl-L-glutamate/glutamic acid/L-leucine)は著明な生体分解を伴った。この場合、生体分解速度は系中の組成比に依存した。これらの結果に基ずいて、担体の in vivo 分解の入力メカニズムの検討もおこなった。
河西 俊一; 武久 正昭
J.Macromol.Sci.,Part A, A14(4), p.605 - 615, 1980/00
アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸n-ブチル(BA)の高圧下における放射線重合およびas-polymerizedポリマーモノマー共存系のP-V挙動を測定した。両モノマーのP-V挙動はメタクリル酸エステルの場合とは異なり、2000kg/cm(MA)、1300kg/cm(BA)で異常性を示した。これに伴い重合挙動も変化し、これらの圧力で重合速度が極小となった。また30004500kg/cmの圧力域で、両モノマー共に重合速度の圧力依存性をほとんど示さなかった。4500kg/cm以上では再び大きな圧力依存性を示した。共存系のP-V挙動は、これを作った圧力域に対応して、特徴的な挙動をした。これらを総合して、アクリル酸エステルは低圧側でエステル基を中心とした、また30004500kg/cmの圧力域ではビニル基を中心としたモノマー分子の配列が起こるものと推論した。
吉田 勝; 熊倉 稔; 嘉悦 勲
J.Macromol.Sci.,Part A, A14(4), p.555 - 569, 1980/00
2-ヒドロキシエチルメタクリレートと他の親水性モノマー(ヒドロキシエチルアクリレート,N-ビニル-2-ピロリドン,アクリルアミド)および疎水性モノマー(ヘキサンジオールモノメタクリレート,ジエチレングリコールジメタクリレート,メチルメタクリレート)の低温放射線共重合を行ない、酵素を固定化した。固定化はマトリックスからの酵素の脱離が見掛け上抑制される50%モノマー濃度(水に対して)で行なった。この濃度におけるマトリックスの多孔質構造は顕微鏡によって観察した。酵素の脱離は疎水性モノマーとの共重合では殆ど起らなかったが、親水性モノマー系では著しい。しかし、えられた重合物の含水率が小さくなると、例えばヒドロキシエチルアクリレートを用いた時は脱離が起らない。それ故、固定化酵素の活性収率におよぼすマトリックスの含水率依存性,多孔質構造(特に空孔径,空孔数,空孔率など)依存性について詳細な検討を試みた。
吉井 文男; 嘉悦 勲
J.Macromol.Sci.,Part A, A13(1), p.43 - 50, 1979/00
すでに、長鎖モノマーのヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)が引込み効果によって、他のモノマーをカナル内に引入れることを報告した。この引込み効果を利用し、カナル内でのHDDAと第2成分モノマーの共モノマー組成とコポリマー組成との関係を調べた。25Cのイオンソース重合で得たコポリマー組成は、第2成分モノマーの組成がきわめて大きく、80%以上にも達した。後効果重合で得たコポリマーの組成は、インソース重合と異なり、仕込んだモノマー組織に近い。この重合反応は、カナルが崩れた後で重合するために、インソース重合では、HDDAのカナルが第2成分を引込んだカナルより安定なために第2成分のカナルだけが崩れやすくなって重合し、共重合は起こりにくい。一方、後効果重合では、温度が高いためにHDDAと第2成分のカナルが同時に崩れるために共重合反応が容易に起こる。ポリマー組成がモノマー組成に近いのは、分解前のカナル内のモノマーの配列状態が反映したと考えられる。
貴家 恒男; 武久 正昭
J.Macromol.Sci.,Part A, A13(6), p.815 - 825, 1979/00
アクリル酸(AA)とフオルムアミド(FA)の二成分系(FA25%)のP-V測定と高圧下における放射線重合を検討した。P-V測定によってこの二成分系は約5000kg/cm(20C)でガラス化することがわかった。重合速度は4700kg/cmまで加速的に圧力と共に増大し、アクリン酸エステル・メタクリル酸エステルのバルク高圧重合で観測されたようなVan't Hottプロットにおける異常現象は認められなかった。この事実から、この系ではモノマー分子の加圧による集合状態の変化がないと結論した。すなわち成分間の相互作用のためにモノマー分子が配列することはないと思われる。ガラス化圧力以上でも重合は進行し、圧力と共に重合速度は増加することがわかった。これは活性化エネルギーをもちいて説明できた。
貴家 恒男; 武久 正昭
J.Macromol.Sci.,Part A, 12(9), p.1307 - 1319, 1978/00
メチルメタクリレート(MMA)の放射線重合を20C7500kg/cmの圧力まで行った。3000kg/cmまで重合速度は圧力と共に加速し、その活性化体積Vpolは-23.6cc/molであった。3000~3700kg/cmの圧力域では重合速度の圧力依存性はすこぶる小さく、4000kg/cm以上の圧力下では再びVpol=-13.7cc/molの活性化体積を示した。活性化体積の圧力による急激な変化、重合による体積収縮の圧力依存性、およびタクティシィテーの圧力変化などから、3000kg/cm以上の圧力では重合系はある種の配列をしていると結論した。MMAの結晶化圧力以上でも長時間照射によって重合体が得られた。またポリマーのタクテシィテーは変化し、あきらかにアイソタクテック附加が増加した。
貴家 恒男; 武久 正昭
J.Macromol.Sci.,Part A, 12(9), p.1321 - 1331, 1978/00
種々の圧力で重合したas-polymeriged PMMA-MMA共存系の圧力~体積(P-V)挙動を測定した。固体ポリマーをMMAに溶解した混合系ではモノマーのP-V挙動に類似した挙動をするのに対し、共存系ではモノマーの結晶化圧力附近での体積収縮は著しく減少する。3000kg/cm以上で重合した共存系では3000kg/cmで液体~固体転移に類似した挙動をし300kg/cmから重合圧力の間で個体として挙動した。これらの挙動はas-polymerigedポリマー鎖とモノマー分子間の強い相互作用のために発現したと考えた。また、この強い相互作用はある種のモノマー分子の配列の中で重合が進行するためと結論した。前報の結果と総合して、MMA分子は20C、3000kg/cmの圧力下である種の配列をすることが明らかとなった。
貴家 恒男; 武久 正昭
J.Macromol.Sci.,Part A, 12(9), p.1333 - 1342, 1978/00
n-ブチル、n-ヘキシルメタクリレート(BMA,HMA)の高圧放射線重合およびas-polymerizedポリマー~モノマー共存系の圧力~体積(P-V)挙動を測定した。BMAは3500から4500kg/cm、HMAは4500kg/cmから5500kg/cmの圧力領域(20C)で特異な重合挙動を示した。3000~4000kg/cmの圧力下で重合して得た共存系は3000kg/cmから重合圧力の間で固体として挙動し、重合圧力以上では再び液体として挙動した。4500kg/cm以上の圧力で重合した共存系は3000kg/cm附近での異状性を示さず、4500kg/cm(BMA),5500kg/cm(HMA)から重合圧力の間で固体として挙動した。これらの固体としての挙動は、高圧下で具現されたモノマー分子の配列中で重合が進行し、その結果as-polymerizedポリマーとモノマー間に強い相互作用が生じたためと結論した。前報の結果と総合すると、3000kg/cm附近では主鎖を中心とする配列が、さらに高い圧力下ではエステル基を中心とする配列が起こると考えた。
貴家 恒男; 武久 正昭
J.Macromol.Sci.,Part A, 12(9), p.1343 - 1357, 1978/00
沈殿系重合をするアクリロニトリル(AN)のモノマーのV-P挙動及び高圧下の重合挙動を測定した。ANモノマーのP-V挙動測定から、液体状態L,LI,LIIの領域に分けられた。Lでは沈殿系重合に特有な重合率の経時変化を示すが、高圧相のLI,LIIでは重合初期では時間と共に重合速度が減少した。20CでのVan't Hoff Plotは1000kg/cmで大きく変り1100kg/cmで速度は急激に低下する。さらに圧力を上げると再び速度は上昇した。重合による体積の収縮は重合速度の圧力依存性と同じく変化した。常圧、3000,4700kg/cmでのArrenius plotはL~LI、LI~LII転移を与える温度で折れ曲がった。L~LI、LI~LII転移で活性化エントロピーは増大し、L~LI、LI~LII転移につれて、原系と活性錯合体間のエントロピー差が大きくなることを示す。これらの実験事実から、ANは高圧下で液~液転移をすると結論した。
石垣 功; 渡辺 祐平; 伊藤 彰彦; 林晃 一郎*
J.Macromol.Sci.,Part A, 12(6), p.837 - 851, 1978/00
チオフェン(TP)と無水マレイン酸(MA)の放射線共重合を研究した。種々な溶媒のなかで最も高い重合速度を与えるクロロホルムを用いて本系の基礎的検討を行い、線量率、重合温度、モノマー組成濃度の影響を明らかにした。本共重合はラジカル機構で進行し、停止反応は生長鋭ラジカルの2分子停止が支配的であること、活性化エネルギーは約5.3kcal/moleであることなどを明らかにした。TP,MAともに、それぞれ単独では放射線重合しないが両者を共存させた場合にのみポリマーが得られ、当モル組成のときに最大の重合速度が得られること、CCl,CHClなどの塩素を含有した溶媒では比較的高い重合速度を与えることが明らかになった。生成ポリマーのNMR判定によりTPとMAがほぼ1対1に共重合し、しかも交互性のあることが判明した。
貴家 恒男; 武久 正昭
J.Macromol.Sci.,Part B, 13(2), p.215 - 229, 1977/02
cis-1.4-ポリブタジエン(cisBR)、cis-1.4-polyesoprene(cisPIR),スチレン-ブタジエン共重合体(SBR)について、7~50C,1~8000Kg/cmの実験範囲で圧力-体積-温度の関係を測定した。Cis-BR,cisPIPでは低圧側、高圧側の2か所の圧力で体積が急変した(low pressure break,high pressure break)。SBRにlow pressure breakが存在しないこと及び前報の高圧下での放射線架橋の結果と考え合せ、low pressure breakはpartial crystallizationによる結論した。 一方、high pressure breakは3つのポリマーで見られ、cisPIPの等圧測定でも、等温線でhigh pressure breakを与える、温度,圧力と一致した。変化は一見一次転移を思わせるが、これは見掛上のもので、super heat(V-T)、super cool(V-P)によるものと考えられる。High pressure breakは高密度ガラスへの転移にもとずくと結論した。前報の高圧下での放射線架橋を良く説明できる結果を得た。
石垣 功; 渡辺 祐平; 伊藤 彰彦; 林晃 一郎*
J.Macromol.Sci.,Part A, 11(1), p.149 - 170, 1977/01
テトラオキサンと1,3-ジオキソランの放射線固相共重合に関する研究を行なった。本報では、本固相共重合反応における諸因子、たとえば照射線量,1,3-ジオキソラン濃度,重合温度・時間および系の雰囲気の影響を明らかにした。これらの諸因子と重合収率、生成ポリマーの熱安定性および溶液粘度との関係を求めて本固相共重合反応の特徴を明らかにするとともにトリオキサン-1,3-ジオキソラン系での結果(前報)と比較討論した。また、本系におけるback-biting反応により生成したトリオキサンをガスクロマトグラフィーから求め反応機構についても考察を行なった。
貴家 恒男; 武久 正昭
J.Macromol.Sci.,Part B, 13(1), p.49 - 58, 1977/01
7000kg・cmと常圧で放射線架橋したcis-1,4-ポリブタジエンの化学緩和を測定した。結論として次の事実が明らかとなった。1)両試料で、切断する場所および切断の起る確率は同程度である。2)酸化反応で新生する架橋点の数は常圧下で架橋を行った試料中で多い。また、架橋点数の生成のG値は前報の値の約5倍程度であり、ほぼ線量率の-0.5乗に比例した。このことから高圧下では連鎖的に架橋が起っていることが再確認された。連鎖的な架橋でできた架橋点の群溶(クラスター)のために2)のような結果となったと結論した。
萩原 幸; 鍵谷 司*; 荒木 邦夫; 鍵谷 勤*
J.Macromol.Sci.,Part A, 10(5), p.781 - 793, 1976/05
メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸(MAA)、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)、アクリル酸メチル(MA)およびアクリル酸(AA)の線橋かけ重合反応を行なった。初期における重合速度に対してアセチレン添加の影響は認められない。AAとHEMAの速度は他のものより著しく大きい。アセチレン無添加で完全に重合したPMA、PAA、およびPHEMAのゲル分率は100%であり、PMMAおよびPMAAではほぼ零である。アセチレンの添加により、PMMAのそれは100%になるが、PMAAではでは零である。この結果に基づき、アセチレンによる橋かけ濃度を求めた。アセチレンの添加により、PMAとPHEMAの橋かけ反応機構を考察した。一方、100%ゲル分率をもつポリマーの体積膨潤比(Sv)を測定し、これにより橋かけ濃度は2倍に、PMMAとPAAでは100倍以上に増大した。なお、Svは、ポリマー密度(Pp)、溶媒密度(Ps)および重量膨潤比(Sw)の関数として次式で表されることを明らかにした。Sv=(Pp/Ps)Sw+(1-Pp/Ps)
貴家 恒男; 武久 正昭
J.Macromol.Sci.,Part B, 11(3), p.389 - 401, 1975/03
cis-1.4-ポリブタジエン、cis-1.4-ポリイソプレン、TFE-プロピレン共重合体、スチレン-ブタジレン共重合体、エチレン-プロピレン共重合体trans-1.4-ポリブタジエンの放射線橋かけにおよぼす高圧力の影響を検討した。いずれのポリマーも加圧により橋かけは促進されるが、特に二重結合を有するポリマーに対する加圧の効果は顕著である。これは橋かけが二重結合の付加を通じて連鎖的に進行し、ラジカル再結合による停止反応が加圧によるポリマー分子鎖の運動抑制のため減少することで説明される。二重結合を有しないポリマーに対する加圧の影響は照射による切断反応の抑制が主なものと推定される。分子構造に規則性のあるポリマー、ガラス転位点の高いポリマーは数Kbarの圧力下で橋かけ効率の極大が認められるが、これはガラス転位圧力または加圧による結晶化と関係することを推論した。
鈴木 伸武; 岡本 次郎
J.Macromol.Sci.,Part A, 9(2), p.285 - 297, 1975/02
テトラフルオルエチレンとプロピレン混合物(CF : 50mole%)がガス状で存在する場合の放射線乳化重合を室温で行なった。その際、HFの生成が観察された。HFの生成量は乳化剤濃度1wt%以上でいちじるしく減少し、酸素が存在すると増加した。一方、重合収率は乳化剤濃度とともに増加し、酸素が存在すると減少した。このような高乳化剤濃度でのHF生成量の減少は主にミセルへの水素素イオンの化学的な吸着または電気的な捕捉によるものである。HFの生成速度は線量率の一次に比例し、HFは主に水の放射線分解の一次生成物と乳化剤あるいはモノマーとの反応で生成する。HF生成のG値は 乳化剤 - 水素 懸濁重合 乳化重合 の順であった。
鈴木 伸武; 松田 修; 岡本 次郎
J.Macromol.Sci.,Part A, 8(4), p.793 - 804, 1974/04
テトラフルオルエチレンとプロピレン混合物(CF:50mole%)がガス状で存在する場合の放射線乳化重合を室温で行なった。その結果、安定なラテックスが得られ、重合体はゴム状であった。乳化剤として用いたパーフルオルオクタン酸アンモニウムの濃度は水に対して1~3wt%が適当であった。重合収率および分子量は400rpm以上では撹拌速度に無関係であり、この領域では反応律速であった。また、重合収率および分子量は高温になるに従って低下する傾向を示し、酸素が存在すると誘導期が観察された。水の純度、反応容器の材質(ガラス製、ステンレス製)の影響はほとんど無視しうる程度であるが、ステンレス製反応容器使用の場合、前もって希酸処理をしておくことが望ましい。
松田 修; 岡本 次郎; 鈴木 伸武; 伊藤 政幸; 田畑 米穂*
J.Macromol.Sci.,Part A, 8(4), p.775 - 791, 1974/04
テトラフルオルエチレン・プロピレン共重合体が架橋処理によりエラストマーとして高性能を発揮するには高分子量のものが必要である。従来の塊状、あるいは溶液重合法によってはこのような高分子量の共重合体を得ることができないので乳化重合の研究に着手した。本報告ではまず乳化剤の選択を行ない、適切であると判定したパーフルオルオクタン酸アンモニウムを用いて高分子量の共重合体を得る反応条件の検討を行なった。その結果、テトラフルオルエチレンリッチの組成で反応を行なえば所期の目標を達し得ることを明らかにしたほか、温度効果が小さいこと、過剰のモノマーの存在はその液滴内での塊状重合(低分子量の共重合体を生成する)を無視し得ないことなど、この系のみならず放射線乳化重合プロセスの特徴で明らかにした。
中瀬 吉昭; 新井 英彦; 栗山 将
J.Macromol.Sci.,Part B, 10(1), p.41 - 58, 1974/01
放射線重合により得られたポリエチレン-タカセン-の特徴を知るために示差熱分析を行なった。重合したまま(as-polymerized)、熱処理をしたもの、あるいは硝酸処理をしたものをここでは取り上げた。タカセンは微結晶でありかつ不完全な結晶から成っており、それ以外に無定形部分がある。結晶部分、無定形部分においてポリマー分子は歪を受けており、これは分枝(短鎖、長鎖)の存在が原因するものと考えられる。したがってポリマー分子の熱運動も困難となる。ポリマー分子のうけた歪は、110C以上の熱処理で除くことができるが、120C以上の熱処理では部分融解が起り、新しいポリマー結晶が生成することがある。この新しい結晶は重合したままの試料中には存在しないものであり、歪を大きく受けたポリマー鎖を持つ試料で、熱処理中に生成するものと考えられる。